規則正しい生活をしている人とそうでない人とでは歯周病の進行速度も違ってきます。
ほかには、タバコを吸うと歯周病が早く進行しますし、糖尿病になると唾液が出にくくなり、いくらブラッシングをしても、歯周病は進行してしまうことが多いのです。 自分が子どものころ、歯に金属を被せれば、歯も強くなって歯が欠けることもないし、二度と虫歯にならないと思っていました。
患者さんからも同じような質問を何度も受けて、同じ誤解をしている人が多いことに気づきました。 確かに、虫歯の菌が金属を溶かして穴をあけることはありません。
しかし、金属と自分の歯の境目部分は、被せものがない場合に比べて何十倍も虫歯になりやすくなっているのです。 自分の歯の場合でも、歯と歯茎の境目は溝があり汚れがたまりやすいのに、金属を被せてしまうとそれに輪をかけて汚れやすくなります。
金属と歯は“セメント”と呼ばれる接着剤で装着されていますが、どんなに精密につくっても、そのすき間を細菌の大きさよりも小さくすることは不可能です。 セメントが存在している間は何の問題もないのですが、そのセメントが唾液で溶けたり欠けたりすると、そのすき間から虫歯の菌が侵入して2次う蝕という虫歯の再発を招きます。
したがって、金属を被せた歯は、何も治療されていない歯よりも、何倍も歯茎との境目に注意した手入れをしなければなりません。 不幸にして歯を抜くことになったとき、患者さんはいろいろなことを考えられると思います。
1本ダメになったから、ほかの歯はもうこれ以上削りたくないと考える人や、1本ぐらいなくなっても反対側で噛めるからいいやと思う人もいるでしょう。 しかし、そのままにしておくと、思わぬ事態が生じてしまいます。

それは、歯を抜いたままにしておくと、抜いた歯の後ろの歯が前方に倒れてきて、最終的には抜いた歯のすき間がなくなるぐらいまで倒れて傾いてしまいます。 そうなると、噛み合わせが悪くなり、顎がズレてしまいます。
ブリッジをするために歯を削ることは、もちろん歯にダメージを与えます。 しかし、放っておいて噛み合わせが悪くなることと、歯を削ることを天秤にかければ、断然、噛み合わせを守ることのほうが大切なのです。
足が腐って足を切断するか、毒が体に回って死ぬかという選択を迫られると、足より命のほうが大切なのと同じで、物事には優先順位というものがあります。

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